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2016.12.25
介護職の高い離職率
介護職の離職率は他の業界の仕事の離職率に比べて高いと言われており、そのことが介護職員不足の原因の1つになっていると言われています。実際に介護施設などで働いている方の声を聞くと確かに新人の定着率は悪い気がするという声も聞こえてきており、実際にどの程度のものなのかを見ていきましょう。
まず参考として知っておいて欲しい他の業界の離職率なのですが、厚生労働省が調査し発表した内容によると、平成18年の段階での全産業の離職率の平均は16.2%でさらに、平成23年の段階では14.4%だったそうです。大きな変化はありませんが、若干の減少傾向と言って差し支えないでしょう。では全産業の平均ではなく介護職の平均がどうかなのですが、この場合は平成18年の段階で20.3%であり、平成23年の段階では16.1%という数字になります。全産業の平均よりも下落率が高い傾向にありますが、そもそもの数字が高いのでやはり介護職は離職率の高い仕事だと言えるでしょう。
大変な場合も多い介護職の仕事
どうして介護職員の離職率が高いのかを調べていくといくつかの要因が見えてきます。まず介護職員の給与は勤務する施設によって大きく異なり、経営者の能力が低かったり従業員思いではなかったりした場合は真っ当な水準の給与が支給されません。そのため生活に苦しさを感じこのままではやっていけないと転職をするために退職をしてしまう場合が多いようなのです。
またその他にも介護職の仕事は施設で勤務した場合夜勤などが多いため、初めは大丈夫だったのだけれども徐々に体のリズムを崩し始め仕事を続けることが難しくなってしまったという方も大勢います。なお健康面に関しては夜勤の他にも普段の仕事の中で要介護者の方をベッドから車椅子に移動させたり、その逆に車椅子からベッドへ移動させたりする作業があるのですが、この作業がかなり腰への負担が重く上手く体を使わないと腰を痛めしてしまって仕事が続けられなくなってしまうということも多いようです。そしてかなりの体力仕事であるのに介護職として働く方の多くが女性であるというのも離職率の高さに拍車をかけているのかもしれません。またこうした経済的な負担や身体的な負担以外にも利用者の方との人間関係やそのご家族との人間関係に悩み精神的に参ってしまう場合も多いと言われています。
労働環境の改善を
介護職の離職率が高い要因として上記の事柄があげられ、問題が1つではないということがわかります。離職率を改善するために労働環境の改善をする必要があるのは間違いなく、施設や行政などが連携して対処する必要があるでしょう。