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38万人の不足が見込まれる介護職員
2016.12.22
介護職員38万人が不足
2015年2月に日本の福祉政策を司る厚生労働省はとても深刻な数字を発表しました。団塊の世代が後期高齢者となってしまう2025年には日本全体で介護職員の不足が発生し、その不足分は需要に対して約33万人分にもなるというのです。このことは団塊の世代の方々が2023年から2025年の間に一斉に後期高齢者となってしまう2025年問題の代表的な側面の1つと言えるでしょう。一般的には65歳以上から高齢者とされていますが、実際のところ65歳を超えたくらいでは多くの方はそれほど加齢による困難を抱えたりはしていません。今までと同じように日常生活を送れる方が多く、自分の体力の範囲内で運動をすることも大丈夫ですし、認知症の原因となるパーキンソン病への罹患リスクも高くはありません。しかしこうした状況は75歳を超えて後期高齢者と呼ばれる年齢になると一変し、一気に身体能力が衰えてしまったり認知症になってしまったりして今までと同じような生活を送れなくなってしまう方が増えてしまうのです。
そしてこうした状況になってしまえば介護施設などを頼って生活していかざるをえないのですが、現状のままでは2025年には介護職の人数が33万人も不足するであろうという公式発表が出てしまったため、多くの方がショックを受けているのです。またこの数字は2015年の6月には見直しが行われ、不足者はさらに増えて38万人の介護職員が不足するであろうと言われているのです。ちなみに介護サービスを必要とする方の人数自体は2025年の段階では253万人に達すると予想されているのですが、このままでは215万2000人分までしか確保できないだろうと言われているのです。
関東の充足率は低い
ちなみに上記の介護職員の不足状況ですが、基本的には全国的に不足していく可能性が高いと言われています。ただそれでも地域によって濃淡はあり、特に群馬や埼玉、それに栃木などの関東圏で大きく不足してしまうだろうと言われています。そしてこの状況は東京も例外ではなく、2025年での介護職員の予想充足率は85.3%と言われています。この数字は全国平均が予想充足率85.1%とされているため、平均よりは僅かに良いのですがお世辞にも満足して良い数字とは言えません。介護に悩む人のうち約15%もの方がサービスを受けられずに困ってしまうということだからです。
専門の介護職員による介護サービスが受けられない場合、その人の介護は家族が面倒をみるしかありませんが、自分の生活を続けながら家族の介護を行うというのは本当に大きな負担になります。すでに家族の介護を理由に失職してしまう人の増加が社会問題になり始めていますが、この状況がますます深刻になるかもしれないのです。