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高齢化が進み不足する介護施設
2016.12.19
少子高齢化による介護問題
連日何かしらの形でニュースなどに取り上げられていますので多くの方がご存知なのでしょうが、日本は今深刻な少子高齢化社会を迎えています。日本人はもともと平均寿命が長い民族だったため社会が高齢化しやすいのですが、さらに近年は若い男女が恋愛も結婚もしなくなり生まれてくる子供の人数が少なくなってしまいました。またそれらのことに加えて第二次世界大戦後のベビーブーム世代、いわゆる団塊の世代が高齢者となってしまったという要因もあり、これらのことが積み重なって日本の少子高齢化は深刻なレベルに達しているのです。
なお少子高齢化によって生じる問題は、例えば現役世代の減少による税収の減少と労働力の減少、また高齢者向けの社会保障支出の増加による国家財政の負担増加など様々なことがあげられますが、もっとも大きな問題は介護でしょう。高齢者は若い現役世代の人たちに比べてパーキンソン病などへの罹患リスクも高く、体も不自由になってしまう場合が多いためかなりの介護リソースを必要とします。しかし現状ではそうした高齢者介護を担当できる介護職の人材も、またそうした高齢者を受けて入れてくれる介護施設もまるで足りていないのです。
関東圏は特に深刻
ただ上記の介護職や介護施設の不足問題が全国で均一に発生しているわけではありません。地域よって施設や職員が充足しているかどうかの差が激しく、そして意外に感じるかもしれませんが特に東京を中心とした関東圏でこの問題が深刻なのです。もともと東京は何世代も前からそこに住んでいたという人が少なく、近年地方から上京してきた人やその子供世代の人たちが人口の中心です。特に高度経済成長期の頃に地方の高校を卒業してから進学や就職のために上京してきたという人たちの人口が多いのですが、その人たちが今後一斉に65歳以上の高齢者や75歳以上の後期高齢者となっていき、介護職や介護施設の不足が急速に進みそうなのです。
ある試算では、2015年から2025年にかけて東京を中心とした関東圏で高齢者は約175万人増加すると言われており、約13万人分の介護施設が不足すると言われています。
高齢者が地方に逆戻り
こうした状況を解決するための方法として、近年高齢者の地方への移住政策が真剣に議論され始めています。関東圏では不足している高齢者施設ですが、地方ではこの問題はそれほど深刻ではありません。むしろ一部の地域では介護施設の定員にかなり余裕があり、県外からの受け入れも容易というところが多いのです。これからの時代は若い世代の方が夢や志を持って東京へ上京するとともに、高齢者の方達が人生の安住の地として地方へ帰るという時代になるのかもしれません。